「出願書類添削」の困難さ その2~「しょーめーしょ」と「しょーしょ」
こんばんは、
日本語教師の和田卓郎と申します。
2015年までは、大学受験予備校で国語を教えていました。
2016年に日本語教師に転職して、今は、「進学主任」という立場で、東京23区内の日本語学校に勤務しています。
このブログの読者層は、
①留学生の進学指導に不安や困難さを抱いている日本語教師
②自身の留学生の進学指導をブラッシュアップさせ、新たな気付きを得たいと考えている日本語教師
を意識しています。
さて、
の留学生進学指導の本質のうち、
「②出願書類添削」の困難さ、ということで続いています。
あ、まず今更なのですが、
「添削」というと作文とかの添削が想像されると思うのですが、
留学生の場合は、その他の書類も(自分の名前でさえ!)添削が必要な場合がありますし、
書類の要不要も細かく見る必要があるので、
その辺のこと全部ひっくるめて「添削」としています。
さて、前回の必要書類の中に、
母国の卒業学校の卒業証明書or卒業証書
というのがありましたが、
「卒業証明書」と「卒業証書」は全く違うものです。
違いをどのように説明しますか?
日本人だったら、
「卒業証明書」は、ペラペラした紙で、大学の事務所で申請すればなんぼでも出せて、何なら自動発行もできるやつ。
「卒業証書」は、仰々しく筒とかホルダーに入ってるやつで、まぁまぁ良い紙で、卒業時に1個しかもらえないやつ。
とか言えばだいたいイメージがわくと思います。
留学生の場合は…
英語で言うとサーティフィケイトとかディプロマとかになると思うのですが、
この語だと微妙に概念が重なったりして、逆に分かりづらくなります。
また、現物や絵や写真を見せるというのも、2つが似てる場合があって、微妙な時があります。
一応、「卒業証明書」は頼めば何個ももらえるもので、「卒業証書」は卒業時に一個しかないもの、というのが一番伝わりやすいかな、という印象です。
で、この「卒業証明書」と「卒業証書」の違いも難しいのですが、学校によって提出条件が違ったりします。
まず、どちらか一方が必須の場合もあれば、どちらでも可という場合があります。
(「どちらも必要」はあまり記憶がありません)
ただ、これで3通り。
で、原本のみ有効、コピーでも可、原本とコピーどちらも、の場合に大きく分けられ、
これで3通り。
もうこの時点で9通り。
「募集要項」をじーっと見て、どの要件かをよく見る必要があります。
特に、「卒業証書、原本」が必須の場合がエグいです。
1個しかないものを取り上げられちゃうんで…次の出願ができなくなってしまう時があります。やるせないっす。
まぁ、前回書いたように、出願書類の用件は、各学校の「慎重さ」の表れであり、
その「表れ方」が色々あるわけなので、色々分かれるんだと思うんですが…。
もうね、日本で統一しませんか!?
国家資格化にあわせて!
てなわけで、「卒業証明書」と「卒業証書」のややこしさ、ということで話しました。
おしまい。
和田卓郎