日本語学校、進学主任のおしゃべり

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受験生の3層の話 その2~A層「受験強者」のマネジメント

こんばんは、日本語教師の和田卓郎です。
23区内の日本語学校で進学主任として勤務しています。

 

takuchatw.hatenablog.com

 

 

前回のエントリーでざっくりまとめた、受験生の3層、

A「放っといても合格する層」
B「努力することで1ランク上に行ける層」
C「ニッチもサッチもな層」

 

について、
それぞれの大変さを述べようと思ったのですが、
思ったより長くなってしまい…。
ABCそれぞれに分けることにしました。

 

 

最初はA層からです。

 

 

A層の大変さを一言で言うと「マネジメントの大変さ」だと思います。
「彼らの足を引っ張らないようなマネジメント」です。

 

 


まずは、A1層、
学力的、能力的に優れてて、
そして人間味もあって…みたいな、
本当の天才、もしくは秀才層です。

 

そんな彼らに接する時は
彼らのプライドも守りつつ、
でも、こちらの信頼も失わないようにしつつ、
基本は放任ですが、ただ、常に気にしておく、
みたいなことを心がけています。
たまに頼ってくれたりした時に、
的確にアドバイスできるように。

 

講演家の鴨頭嘉人さんが「承認=見てくれているという感覚」とおっしゃっていました。
もちろん、どんな学生にも必要なことですが、
このA1層こそ、死物狂いで「承認」することが大事だと思います。

 

間違ってもマウント取り合ったり、
優位に立とうと細かいミスを指摘して、
揚げ足取ったりしてはいけません。

 

 

 

次に、A2層、
お勉強苦手だけど、メタ認知ばっちし層です。
最初は「ニッチもサッチもな層」に見えがちなのですが、
ちょっと面談してみると、あれ?しっかりしてるじゃん、と喜ばせてくれます。
やりたいこととか、できることの認識ができていて、
何よりも、この層は「良いヤツ」が多いのです。

 

もっと上を目指そう!なんて、指導者は言いがちですが、
この層が選んだ道は尊重すべきだと私は思います。
逆に変に目指させて、未来をつぶしてしまってもかないません。

 

 


そして、A3層、
「勉強ができる学歴病」層です。

 

ちょっと手こずります。
まず、受験に関係がないことは興味がありません。
日本語学校の授業にも冷笑的です。
そして、しれっと合格するもんだから、
日本語学校の価値ェ…って思わせてくれる層です。

 

正直、本当の意味で放っておきたいときもあるんですが、
そしたらどんどん距離が離れるだけなので、
私の場合は、少しずつ視野を広げてあげる感じで接しています。
結局は「学歴」という狭い視野で世界を見てしまっているわけなので、
そんなものは価値判断の1つに過ぎないよ、といったことを少しずつ伝えます。
で、関係が破綻しないようなマネジメントを心がけます。


まぁでも、結局分からせられないまま合格しちゃって、
そのまま卒業してった学生もたくさんいるんだろうな。

 


で、実は、
このA3層は、日本語学校の運営を危うくさせる危険性もあると思ってます。
その話はまた今度に…。

 

 


ふう、
幸か不幸か、今、接することが多い層が、このA層なので、
ちょっと長めに考えをまとめてみました。

 

 

 


終わりです。

 

 

 

 

 

和田卓郎