日本語学校、進学主任のおしゃべり

日本語学校/日本語教師/留学生/進学指導法

受験は「視力・体力・時の運」

こんばんは、日本語教師の和田卓郎です。
23区内の日本語学校で進学主任として勤務しています。

 


気づけばあっという間に更新が滞って1ヶ月弱。

 

 

この間を一言で言うと、「バテ」てました。
というか、バテないように気をつけてました。

 

 

実は、ブログ開設当初の8月末、ちょっと張り切りすぎて、
心房細動を発症していたんです。

 

 

確かに、ブログのために寝る時間が遅くなってしまってましたので、身体に来たのだと。

 

 

その後すぐに、エントリーにもあるようにコロナに感染、そして後遺症もある中、業界全体の人手不足による業務負担増…といったところでした。

 


結構良い感じに伸びてたな、と思ったんですが、勿体なかったですかね。
まぁ、でも身体が基本で資本ですから!!
時間があったら授業準備して、授業の質も保ちたいですし!

 

 

ところで、

 

 

世の中には「意識高い系」と呼ばれるカテゴリーがあり、
言うまでもなく揶揄の言葉として使われています。

 

 

で、この言葉なのですが、
「意識高い」こと自体は悪くないわけなんで、
「意識高い系」の揶揄の対象は、「意識以外が低い」というところにあると思うんです。

 

 

で、その中でも、
「ガチで意識が高い人」と「意識以外が低い人」では何が1番の差になるのか?

 

 

それが、「体力」なのではないかと思うんです。

 

 

どうも、成功をつかむ人は、「知力、体力、時の運」のバランス感覚に優れている気がします。
受験生でも、長く勉強できるやつって、単純に体力があるんです。

 

 

私の尊敬する先生の一人が「受験とは、視力・体力・時の運だ」という名言を話されていて、高校時代は良く分かりませんでしたが、
今ではよくその意味が分かります。

 

 

つなわけで、ただの「体力低い系日本語教師」で終わらないように、
また工夫して発信をしていきたいです!
あまり伸びなかったけど、
受験生の3層の話もひとまず着地させたいですし。

 

 

 

最近は、気温の変化も激しいですよね。
私、「気圧変化弱い系男子」でもあるのです…泣

 

 

 

おしまい。

受験生の3層の話 その4~C層の話

こんばんは、日本語教師の和田卓郎です。
23区内の日本語学校で進学主任として勤務しています。

 

 

またまたインターバルが空き、
ううう、となっています。

 


X(旧Twitter)界隈の日本語学校でも、人手不足が多いことが伺われます。
「ウチだけじゃない」とか「ウチはまだマシ」とか考えると、
まだ精神保養にはなるでしょうが、同時に傷を舐め合ってもいけないのかな、と。
業界全体の競争意識も忘れてはいけないと思うわけです。

 

さて、何の話題だったかというと、

 

takuchatw.hatenablog.com

 

受験生の3層の話でした。

 

A「放っといても合格する層」
B「努力することで1ランク上に行ける層」
C「ニッチもサッチもな層」

 

のうち、A層B層の話をしてきました。
今回からC層の話です。

 


「ニッチもサッチも層」ですが、
まずは、やる気がある無いに関わらず、
お勉強が苦手で、メタ認知も上手くできない学生が該当します。

 

 

人間には得手不得手があるので、
中には勉強が不得手だという能力に生まれてしまう場合もあるわけです。
もちろんそんなのは指標のうちの「ペーパーテスト」が不得手ってだけなんですよね。
それ以外に突出した能力がある場合もあります。

 

 

なにより、日本語学校の留学生の場合は、
それでも、留学して、日本語で何とか意志疎通ができるのだから、
大したもんだとは思います。

 


ただ・・・そんなに日本語ができるようになった君なのに、
なんで、そんな頓珍漢な考え方やロジックになっちゃうの?みたいな…。

 


このあたりの学生はもう、
「背負ったり二人三脚したりしてなんとかゴールまで一緒に走り切る」が、
もちろん理想だと思います。


しかし、物理的制約ってあるわけで…適度な「諦め」がないと飽和してしまいます。

 


ただ、その「諦め」がたまに伝わってしまう時があって…。
そん時の「先生ごめんね」的な空気がなんとも言えんのです。

 

 

こちらこそ…でも私は一人しかいないし、1日は24時間しかないんだ。
そう考えると、私はこの層が得意、ってわけではないんだと思います。
この層をハッピーに出来る能力も、磨いていきたいものです。

 



今日はこのへんでー。
C層の話はまだ続けます。

 

 

 

 

和田卓郎

受験生の3層の話 その3~B層「結局は気持ち」

こんばんは。日本語教師の和田卓郎です。
23区内の日本語学校で進学主任として勤務しています。

 

takuchatw.hatenablog.com

 

 

takuchatw.hatenablog.com

 

インターバルが空いてしまいましたが、受験生の3層、

A「放っといても合格する層」
B「努力することで1ランク上に行ける層」
C「ニッチもサッチもな層」

 

のうち、今回は、B層について考えをまとめようと思います。

 

 

B層は、オーソドックスといえばオーソドックスな指導法になると思います。

 


「ちょっと頑張れば超えられるハードルを設定する」

 


という指導法です。

 


この「ちょっと頑張れば」ってのがミソでして、
難しすぎてもダメ、簡単すぎてもダメ、です。
適切な高さのハードルを設定してあげれば、
あとは自力で伸びていくイメージです。

 

成績を伸ばし、実績を出し続けられる先生は、
そのへんの設定が秀逸なのだろうと思います。

 

 

私が日本人を対象としていたころは、このB層がボリュームゾーンだったわけですが、
日本語学校ではそうとも限らないのは、以前述べた通りです。

 

 

その要因は、
おそらく変数として、その学生の日本語のレベルと学校の募集戦略が関わってくるからだ、
というのが、今のところの考察です。
で、その募集戦略とも関係すると思うのですが、
この層はABCの中で「意識して」集めるのが最も難しい層だと思っています。
(募集との関係の考察はまた別の機会に…)

 


ですから、B層は、「集める」というよりは「育てる」というイメージになるのではないかと思っています。
結果集まっ(てしまっ)たC層や、A(とりわけA3)層を、B層に育てるのが、教師のウデのような気がします。

 


じゃあ、どうやったら育つのか、

 


私の経験からは、もう「パッション」じゃないかと!
学生が「先生を喜ばせたい」とか「先生のために頑張る」とか「落ちたら先生に悪い」とか、
そういう気持ちを持ってくれたら、B層になるのではないかと。

 

 

その「気持ち」をもらうこと自体が目的になってはいけませんが、
私達が全力で教えれば、結果その気持ちをもってくださるものだ、と、

 

まだ私は青臭く信じています。

 


てなわけで、進学もいよいよ本格化してきました。
今年もやりまっせ!

 

 

おわりー。

 

 

 

和田卓郎

受験生の3層の話 その2~A層「受験強者」のマネジメント

こんばんは、日本語教師の和田卓郎です。
23区内の日本語学校で進学主任として勤務しています。

 

takuchatw.hatenablog.com

 

 

前回のエントリーでざっくりまとめた、受験生の3層、

A「放っといても合格する層」
B「努力することで1ランク上に行ける層」
C「ニッチもサッチもな層」

 

について、
それぞれの大変さを述べようと思ったのですが、
思ったより長くなってしまい…。
ABCそれぞれに分けることにしました。

 

 

最初はA層からです。

 

 

A層の大変さを一言で言うと「マネジメントの大変さ」だと思います。
「彼らの足を引っ張らないようなマネジメント」です。

 

 


まずは、A1層、
学力的、能力的に優れてて、
そして人間味もあって…みたいな、
本当の天才、もしくは秀才層です。

 

そんな彼らに接する時は
彼らのプライドも守りつつ、
でも、こちらの信頼も失わないようにしつつ、
基本は放任ですが、ただ、常に気にしておく、
みたいなことを心がけています。
たまに頼ってくれたりした時に、
的確にアドバイスできるように。

 

講演家の鴨頭嘉人さんが「承認=見てくれているという感覚」とおっしゃっていました。
もちろん、どんな学生にも必要なことですが、
このA1層こそ、死物狂いで「承認」することが大事だと思います。

 

間違ってもマウント取り合ったり、
優位に立とうと細かいミスを指摘して、
揚げ足取ったりしてはいけません。

 

 

 

次に、A2層、
お勉強苦手だけど、メタ認知ばっちし層です。
最初は「ニッチもサッチもな層」に見えがちなのですが、
ちょっと面談してみると、あれ?しっかりしてるじゃん、と喜ばせてくれます。
やりたいこととか、できることの認識ができていて、
何よりも、この層は「良いヤツ」が多いのです。

 

もっと上を目指そう!なんて、指導者は言いがちですが、
この層が選んだ道は尊重すべきだと私は思います。
逆に変に目指させて、未来をつぶしてしまってもかないません。

 

 


そして、A3層、
「勉強ができる学歴病」層です。

 

ちょっと手こずります。
まず、受験に関係がないことは興味がありません。
日本語学校の授業にも冷笑的です。
そして、しれっと合格するもんだから、
日本語学校の価値ェ…って思わせてくれる層です。

 

正直、本当の意味で放っておきたいときもあるんですが、
そしたらどんどん距離が離れるだけなので、
私の場合は、少しずつ視野を広げてあげる感じで接しています。
結局は「学歴」という狭い視野で世界を見てしまっているわけなので、
そんなものは価値判断の1つに過ぎないよ、といったことを少しずつ伝えます。
で、関係が破綻しないようなマネジメントを心がけます。


まぁでも、結局分からせられないまま合格しちゃって、
そのまま卒業してった学生もたくさんいるんだろうな。

 


で、実は、
このA3層は、日本語学校の運営を危うくさせる危険性もあると思ってます。
その話はまた今度に…。

 

 


ふう、
幸か不幸か、今、接することが多い層が、このA層なので、
ちょっと長めに考えをまとめてみました。

 

 

 


終わりです。

 

 

 

 

 

和田卓郎

受験生の3層の話 その1~「受験強者」っているよね

こんばんは。日本語教師の和田卓郎です。
23区内の日本語学校で進学主任として勤務しています。

 

 

お昼に10年ぶりくらいにツイート(今はポストですか)しまして、
ドキドキしてしまっています。

 

 

ポストした内容は、私が昔から感じていた、「受験生の3層」の話です。

 

 

受験生にはざっくり言って、

 

 

A「放っといても合格する層」
B「努力することで1ランク上に行ける層」
C「ニッチもサッチもな層」


があるという考えを私は持っています。
予備校講師時代に考えていたことではありますが、日本語教師に転職してから、
留学生の受験生にもある程度当てはまる話であろうと考えています。

 

ただここでちょっと「注」がありまして、
これは「成績」の層と必ずしも一致するわけではありません。

 

 

確かに、Aはいわゆる成績優秀な学生が多いですし、Cはちょっと成績、ひいては学習意欲が・・・な学生が多いです。

 

 

しかし、
学力的には「ちょっと残念…」な学生でも、真面目でメタ認知はできていて、相応の学校を選び、
それこそ、「日程管理」さえしっかりすれば気持ちよく合格してくれるA層の学生はいます。

 

一方で、とっても成績優秀でも、「受験」という文脈の中ではC層と言える学生もいます。
パターンとしては、「自分の能力過信パターン」と、「ガチガチ緊張パターン」があります。
どのみち「不器用」という言葉に集約されるような気がします。
「受験に対する器用さ」みたいなものが、A層←→C層の決め手になっているのでしょう。

 

そして、言うまでもなく、B層が指導者にとっては理想的ですし、
この層をいかに導くか、というのが腕の見せ所だったりもします。
「先生のおかげ」っていう言葉が心に沁みる層ですね。

 

 

予備校時代の肌感覚としては、
「2:6:2の法則」よろしく、「A:B:C=20:60:20」でした。

 

 

しかし、留学生受験の肌感覚はその限りじゃありません。

 

 

次回、ABCのそれぞれの困難さと共に、
そのあたりの話を深掘りしてみようと思います。

 

 

 

今日はこのへんで。

 

 

 

 

和田卓郎

東大合格!!

こんばんは、日本語教師の和田卓郎です。
23区内の日本語学校で進学主任として勤務しています。

 

 

今日は、雑記として、
日本の大学の「謎のブランド」について書いてみたいと思います。

 

 

TV版ドラゴン桜の最終回で、桜木先生がこんなことを言っていました。
「前にも言ったと思うが、俺は東大が好きじゃねぇ。
東大に行ったってだけで人生成功したと思ってるやつら、
目の前の相手が東大出たと知った瞬間に卑屈になるやつら。
これみんなゲス野郎だ。」

 

 

また、週刊誌には、「高校ランキング」のような見出しで、
難関大に合格した人数を指標にランキングをつける企画があったりして、
その時の売り上げは良くなるようです。

 

 

良くも悪しくも、日本人の中には、「大学名」に一定の「ブランド」を感じ、
「大学名」を気にする人が一定数いるというのは確かでしょう。
読んでくださっている人の中にもこのタイトルを見て、
「おっ?」なんて、心が動いた方がいらっしゃるかもしれません。

 

前述の桜木先生は、同じセリフの中で、
「勝手に祭り上げ、勝手に諦め、そして勝手にコンプレックスを抱く」などという言葉も言っています。

 

 

確かに、「東大●●●人」「早大×××人」なんていう広告や看板を見ると、
よくわからない人からしたら、さぞかし良い教育機関なのだろう、
というイメージを持つかもしれません。
一方で、それ故か、アンチを生じさせてしまうこともあります。

 

 

「良い教育」をすれば合格実績が上がるのは確かでしょう。
しかしながら逆は真では無い、というのも多くの教育者が感じていることかもしれません。
合格実績を求めすぎて、ただの詰め込みや受験テクニックに走ってしまったら、
理想的な教育からは離れていくような気もします。

 

 

先人の教育者たちは、そのあたりのバランスをとる努力をしてきたように思います。

 

 

開成中学高校の初代校長の高橋是清は、「教育目的は、進学のみにあらず、「学問の目的は社会の利益を興さんとする」」ことであると述べたそうです。

 

また、私の尊敬する駿台予備校のある講師は、「(将来の学問につながるように、単なる入試対策に終わらないような)教科の枠を超えた 普遍的な学力が身に付くような、知的好奇心を刺激するカリキュラムを作成している」といったような言葉を発表しています。

 

 

両氏ともに明らかに「受験」を教育の一部に過ぎないと捉えており、「理想の教育」と「受験」を分けて考えていることが伺えます。

 

 

私も進学主任として、その辺のバランサーになるべき立場だと思っていますし、
今まさに、そのバランスをとるべきフェーズにあるように思います。

 

 

大変だけどね~。
でも、楽しいから良いけどね~。

 

 

おわり。

 

 

 

和田卓郎

「面接練習」の困難さ その5~「将来展望」の答え方

こんばんは、日本語教師の和田卓郎です。
23区内の日本語学校で進学主任として勤務しています。

 

 

引き続き、

takuchatw.hatenablog.com

 

こちらで紹介した、「基幹質問」

 

➊日本への留学理由
➋その学校の志望理由
➌その専攻の選択理由
➍将来展望

 

のうち、
今回は、最後、➍「将来展望」の対策について、
私なりの見解をまとめたいと思います。

 

 

簡単なフォーマットは、
「卒業後の近い将来→仕事や研究の内容→大きな夢」という形で考えさせています


あ、もちろん大前提として、「過去-現在-未来」のストーリーが大事ですので、
当然、過去-現在とつながっている必要があります。

 

 

まず、「近い将来」のところは、
大学院、学部、専門学校志望のすべてにあり得るのは、
「国or日本で就職したい」です。

 


ただ、枝分かれパターンとして、学部だったら「大学院に進学したい」、
大学院だったら「研究を続けたい」があります。

 

 

「仕事や研究の内容」は、シンプルに、でも浅すぎずに考えさせています。
研究だったら「○○の××について研究したい」、就職だったら「○○で、××する仕事に就きたい」のような感じです。

 

 

最後の「大きな夢」は、自分の仕事や研究の意義、または社会貢献性を考えさせています。結構、壮大に考えてよいと思います。
私が良く使わせるのは、「~~~できる人材になりたいです」といった形です。


Q:将来の展望を教えてください。
A:はい。まずは、国へ帰って就職したい/卒業後は大学院に進学したい/引き続き、研究を続けたいです。○○で、××する仕事に就きたい/○○の××について研究を続けていきたいと考えています。将来的には、~~~できる人材になりたいです。

 

 

みたいな感じです。

 

 

もちろん、「卒業後はどうしますか」のような質問に同じ答えで答えることもできますね。
このように「基幹質問」をしっかり用意しておくと、色々な質問に応用できるので、
お試しあれ!です。

 

 

以上、おわりです。

 

 

 

和田卓郎