「日程確認」の困難さ 番外編
こんばんは、
日本語教師の和田卓郎と申します。
2015年までは、大学受験予備校で国語を教えていました。
2016年に日本語教師に転職して、
今は、「進学主任」という立場で、東京23区内の日本語学校に勤務しています。
このブログの読者層は、
①留学生の進学指導に不安や困難さを抱いている日本語教師
②自身の留学生の進学指導をブラッシュアップさせ、新たな気付きを得たいと考えている日本語教師
を意識しています。
ということで、現在、「日程確認の困難さ」というシリーズで、エントリーしています。
そして、「その1」しかエントリーしてないのに、いきなり番外編です。
上記の①の先生方の中にまだ日が浅い方もいらっしゃると想定して、
留学生の卒業時期についての前提をまとめたいと思います。
サブタイトルは「『留学ビザは2年間』の落とし穴」です。
日本語教育機関での留学ビザの期限は2年間というのが原則ですが、
実は、一般的な日本語学校は、
「2年目の3月末」で修了(卒業)することを推奨しています。
なぜかというと、
多くの日本の大学などは4月に始まります。
ですから、2年目の3月末までに次の進学先が決まっていないと、
ビザが切れた時に留学ビザを更新する術が無くなってしまうからです。
例えば、仮に2022年7月1日から留学ビザが始まった学生は、
フルで日本語学校にいようと思ったら、理論上、2024年6月末までいられます。
しかし、そこで、仮に大学合格していたとしても、大学が始まるのは2025年4月です。
ということは、2024年7月1日〜2025年4月が空白の期間になってしまいます。
ましてや、合格してなかったら、
他のビザに切り替えるか、帰国しかなくなります。
え?秋入学があるんじゃない?
それに、最悪、ビザ切り替えや帰国でも良いんじゃない?
と思うかもしれませんが、これもなかなか困難でして…。
(理由は別の機会でまとめます)
昨日紹介した学生が4月3日に合格したように、ちょっとした誤差はありますが、
とにかく、2度目の3月には修了(卒業)しないといけない、と指導するのが一般的です。
つらいのは1月入学生ですよね。
理論上、2年間いられるはずが、1年3ヶ月しかいられないので…。
ここまで理解したら、2年目の3月末時点で進学先がなかったら、どうなるかはもう分かると思います。
やっぱし、ビザ切り替えか帰国になります。でも、これが困難なのはさっき言った通りです。
このことから、こんな特徴も浮き彫りになります。
「日本語学校に浪人は無い!」
これも予備校業界から転職した私にはカルチャーショックでした。
こんなんだから、3月になると日本語教師は電話魔になるわけなんです。
「まだ空席がありますか?」「まだ空席がありますか?」…の連続です。
エンドレス受験シーズンのくせに、リミットもある。
このような構造上の困難さが苦しい時もあります。
まぁでも、だからこそやり甲斐があるんですけどね!
困難を乗り越えて、全員の進路を確保し、
「やっぱおれすげー」ってニヤけてる自分を想像し、
テンション上げて、明日も仕事するわけです。
おしまい。
和田卓郎